27Dec

吃音を笑われるから人前で話したくないとか、吃音だから変に思われるのが嫌だなど、それまでの経験や一方的な思い込みにより、必要以上に話すことを拒んでしまうことは、吃音に苦しむ方であれば誰もが経験することだと思います。人と話をすることが怖い・・・。そんなふうに思っているかも知れませんが、実はそんなに気にしなくてもいいようです。その理由をお伝えします。
『頑張ればきっと良くなる。努力は必ず報われる。』
過去の私は、根拠がないにも関わらずそのような考え方が正しいと信じ、そう自分に言い聞かせていました。
『吃音はいつか良くなる。きっと良くなる。』
『もしかしたら、みんなが自分の事を助けてくれるかもしれない・・・。』
などと、自分にとって都合がいい結論を考えたあげく、消えるはずもない吃音が消えて、多くの人と楽しく話をしている「理想の自分」を想像していました。
しかし実際には、何をどのように頑張れば吃音の症状が良くなるのか、自分では分かっていないのです。何をどのように努力すれば「理想の自分」になれるのか、本人は全く分かってないのです。ただなんとなく、今の辛い状況を我慢すれば何れ良くなると勝手に信じたり、自分にとって理想的な未来を妄想しているだけなのです。
その一方で本音では、吃音はもう直らないと諦め、吃音と一生付き合わなければならない絶望感でいっぱいなのに、その現実に向き合うことを拒み、
『まじめにやっていれば、吃音が消えるかもしれない・・・。』
と、宗教か何かに洗脳されたかのように、いつまでも「まじめを演じること」に努力していました。
吃音を意識をすればするほどハマってしまう吃音の不思議
吃音の悩みを抱えている人の多くが、「吃音であることが恥ずかしい。」「吃音が出ると笑われる。」と思い、吃音が出ないよう必死に吃音を隠す努力をしています。そのような人は、努力家や完璧主義者、プライドや理想が高い人に多いそうです。
私も完璧主義なところがあるのですが、吃音だから自分をよく見せようと完璧主義になったのか、それとも完璧主義が吃音にさせたのか自分でも分かりません。いずれにしても吃音でどもっているところを人に見られたくありませんし、吃音がない「理想の自分」で居たいと思っていました。正直なところ、今でもあります。
だから人前では、本当の自分の姿を見せないように必死で吃音を隠していましたし、出来るだけ人との会話を避けていました。しかし会話を通じて、自分の意思を伝えなければならない場面が必ずあるわけです。
そんなときは、どのような話の内容になるのか、事前にあれこれ考えました。会話の練習もしました。そしていざ本番では、吃音がばれない様に「理想の自分」を演じるんです。すると相手がどのように自分を見ているのか気になって仕方がないわけです。
『自分が変に見られていないだろうか。』
『変に思われていたらどうしよう。』
『自分が見下されていないだろうか。』
いつもそんなことばかり気にして、自分を演じることに多くのエネルギーを使っていました。それでいて本番で上手く話ができているのかというと、やはり事前の練習通りに行くはずがなく、吃音であることがバレバレなのにも関わらず、それでも吃音が出ないように話そうと必死なのです。顔は緊張してこわばり、目は泳ぎ、足はガタガタ震えて、全身からあふれ出る緊張感がオーラとなって相手に伝わります。(笑) そんな状態でどもれば、
『緊張してる?』
『落ち着いてゆっくり話せば?』
と言われますよ。笑われますよね。本人は、吃音を隠そうと必死なんだけど実際には全く隠せてなくて、隠すどころか隠そうとすればするほどメッキが剥がれボロボロになるので、かえって逆効果です。特に相手から言われて落ち込む言葉が、
『えっ?なになに?もう一度いって?』
と聞き返されることが辛いのですが、それ以上にどもることで話が通じず、話の内容を理解していないにも関わらず、私に気を使って分かった(理解した)ふりをされることがとても辛いし、相手に気を使わせてしまっていることに対しても、とても申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
このような状態だから、話の輪の中へ加わることに積極的になれないし、周囲に遠慮してしまうことで私が勝手に壁を作っていました。
実はあなたの吃音に多くの人は興味がない
全く隠せていないにも関わらず吃音を隠す私の努力は、30歳代半ばまで続くことになります。そこまで年齢を重ねると、仕事で多くの人と出会ったり、様々な経験を積むので、吃音に対する色々な反応を見ることができました。
私の吃音に気が付いて、どの様に接っして良いのか分からず少し動揺する人や、吃音に気が付いているものの、特に気にしていない人。そもそも私の吃音に全く気が付いて居ない人など、反応はそれぞれでした。
感情を読み取ることに関して私は、人の反応を気にしながら生きてきたので、顔や目の表情を見れば、だいたい何を考えているのか分かります。そしてその中で感じたことは、私が思っているほど、人は私の吃音に関心がありません。
私の吃音に一瞬困った様子を見せる人は居ますが、私も常にどもっているわけではないので、つっかえながらも何とか話せます。そこで相手に会話のイニシアチブを渡してしまえば、私の吃音の事なんてすっかり忘れてしまうんです。他人は自分が思っているほど吃音に興味はないし、気にもしていない事が殆どです。気にしているのは、実は自分だけなのかもしれません。
吃音がバレても周囲の反応は変わらない
あなたは障害を持っている人を笑いますか?たとえば、道路を車椅子で移動している人が居るとして、あなたはどう思いますか?「大変そう」とか「苦労されてる」と思うことはあっても、面白いとか、その姿に笑いませんよね?吃音は、まだまだ一般的に知られていないので、初めて吃音と接する人はその話し方に笑ったり、驚かれたりすることもあります。あなたも笑われて嫌な思いをしたことがきっとあると思います。
しかし吃音のことを正しく理解してもらえれば、笑った人もあなたをきっと応援してくれるはずです。一生懸命頑張って伝えようとしているあなたを笑う人は居ません。
そして繰り返しになりますが、自分で思っているほど、相手はあなたの吃音に興味はないし、気にもしていません。たとえ吃音が出たとしても気にしていません。
ここからは、すごく大切な話になります。
相手が興味を示さない吃音に対して、上手く話そうと一生懸命努力することに意味がありますか?その努力は、本当に必要ですか?吃音が出ないように、吃音がバレないように何かを頑張る必要はないんです。吃音がない理想の自分を演じる必要もないし、真面目でいる必要もないのです。周りの人は、あなたの吃音なんてなんとも思ってないんだから。
あなたや私の吃音を隠そうとしたこれまでの努力は、実は、完璧を目指そうとする自らの自己満足なだけです。
吃音を治したいという気持ちはよく分かりますし、吃音が出ないようにしたいという気持ちもよく理解できますが、冷静に考えてみて吃音を隠すことが吃音を治すことにつながっているでしょうか?吃音を隠すことで、吃音がよくなりましたか?それよりも相手に自分が吃音で、話をすることに苦労しているという事実を分かってもらう方が、自分の気持ちが楽になるのではないでしょうか?
自分が吃音であることを相手に伝えたり、周囲の人に伝えることは、とても勇気がいることです。越えるには高いハードルだと思います。ただしそこを乗り越えて吃音をカミングアウトできると、無理して吃音を隠したり普通でいることを演じなくていいので、生きることがとても楽になります。
それに吃音を伝えたからと言って、あなたに対する周囲の態度が変るわけではありません。仲のいい人は、今まで通り仲良く接してくれるし、なんら今までと変ることはありません。それならば、吃音を隠すのではなくオープンにすることで気持ちが楽になるのだから、むしろそうすべきではないでしょうか?
周囲の人たちはあなたが思っている以上に、あなたの吃音に対して興味がないし、特別だとも思っていません。自分ひとりで吃音の悩みを抱えるのではなく、あなたの周りにいる人を信頼して、吃音の悩みを打ち明けることで、なにか良いきっかけを掴めるはずです。隠し事を抱えたまま、周囲の人に本当の自分の姿を見せずに生きるって大変ですし、むしろその方が辛いことではないでしょうか。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
いつもクリックありがとうございます。
[投稿日] 2014年8月21日
[最終更新日] 2015年12月27日
1位獲得!
AmazonのKindle本ベストセラーランキング全30万タイトル中で1位を獲得!アフィリエイトで1億円以上の報酬を手にして、30歳でセミリタイヤした元時給700円の皿洗いが伝える、自由な人生を手に入れた方法。
通常価格1,000円が期間限定で、今なら無料でダウンロード頂けます。さらにセミナー映像をダウンロード特典として無料でプレゼント!お早めに!
関連記事
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。